クロックアップ

クロックアップとは
クロックアップ(Clock Up)とは、正しくはオーバークロック (Overclocking)のことであり、デジタル回路を、定格を上回るクロック周波数で動作させることをさします。これは、デジタル機器の性能を極限まで高めることを可能とする究極の改造であり、一方で、デジタル機器の消費電力や発熱の増加、信頼性・安定性の低下を生じさせ、デジタル機器を破損させるリスクがあります。

クロックアップにチャレンジ!
このような改造は、概して、良い子は行いませんが、当サイトにいらした方はご興味があると思います。また、3DSを購入予定の方は、古いDSが不要になると思います。不要のDSをヤフオクに出品しても大した金額にもなりませんから、ここで思い切ってクロックアップにチャレンジしてはいかがでしょうか。

クロックアップマニュアル大公開!
当サイトでは、DSLiteの完全クロックアップマニュアルを大公開いたします。なお、マニュアルを参照されても、自分にはちょっと無理かな、でもクロックアップはやりたいな、という方は、筆者がヤフオクに出品中の下記のような品物をご検討頂くのも良いと思います。
 DSL クリスタルホワイト 動作速度自由選択 パッドリペア・クリーニング済

DSで何倍速の動作が可能か
当サイトをご覧の方はご存知かと思いますが、DSLiteは1.7倍速まで、DSiは1.5倍速までの改造報告があり、DSLiteの方がクロックアップ耐性が高いようです。そして、数十台のDSLiteを改造した経験から、DSLiteのクロックアップ動作の律速はWi-Fiユニットにあるようで、1.7倍速動作が不安定なDSLiteでもWi-Fiユニットを交換すると動作が安定します。とすれば、Wi-Fiユニットを外せば、DSLiteをさらに高速化できるとも考えられますが、残念ながらBIOSがWi-Fiユニットの動作をチェックしているため、Wi-Fiユニットを外すとDSが起動しません。

DSLiteの真の実力
それでは、クロックアップしたDSLiteの実力を次の動画でご覧ください。右側のタブをクリックすると、1倍速(通常の速度)の動作画面や、1.7倍速の動作画面がご覧いただけます。なお、クロックアップすると音声は音程が高くなります。
このようにサクサク動くDSLite!みなさんは魅力を感じませんか! 

改造に必要なもの
DSLiteのクロックアップには多数の工具や部品が必要であり、先ずそれらを準備する必要があります。今回の「完全クロックアップマニュアル」で使用する工具等を列挙致します。この詳細は順次ご説明致します。
(工具類)はんだごて(こて先が細くきれいで、こて先の温度が300℃〜400℃の範囲で制御可能な物)、ニッパー、カッター、Y形ドライバー、精密ドライバー、ピンセット、ルーペ(5倍程度以上)、縫い針(まち針)
(部品)クリスタル(27MHz〜28MHz)、小形スライドスイッチ、配線2種類(線径0.32mm、外径0.62mmの単芯線、線径0.1mm強程度の銅線)
(部材)糸はんだ、はんだペースト、セロテープ、両面テープ

今回改造するDSL
今回は、アイスブルーのDSLを1.7倍速、1.5倍速、1倍速(標準速度)、の3段切替に改造します。

裏蓋のねじ等を外します
SLOT2ダミーカバー、バッテリー蓋、バッテリー、ゴム足2個を外します。また赤ドットの箇所のネジ7個を外します。3個はYネジ、4個は+ネジです。Yネジ用ドライバーはヤフーオクに出品されています。

裏蓋を外します
裏蓋、L/Rキーを外します。L/Rキーにはバネと金属シャフトが付いています。
(注意)裏蓋を閉じるときには、蓋側のSW、ボリュームつまみ位置と、基板側のSW、ボリュームノッチ位置を合わせる必要があります。これがずれていると、ノッチが割れて大変なことになります。

切替スイッチ
今回の改造の速度切替スイッチには、ウルトラミニスライドSW 00120479MMを使用しました。入手先は次です。
千石電商 ウルトラミニスライドSW

裏蓋の加工
裏蓋のスイッチの取り付け位置をカッターを用いて加工します。ストラップ孔のすぐ横です。ネジ用ランドの箇所も少し削ります。

スイッチをはめ込むと下図のようになります。なお、スイッチの電極は90度折り曲げ、プラスチックのボッチ2個は削り落とします。

Wi-Fiユニットの取り外し
Wi-Fiユニットを取り外します。クッション部の両面テープは基板側で剥がします。ケーブルは付けたままでOKです。

スロットを浮かせる
今回の改造の山場の1つ、SLOT1を浮かせる作業です。SLOT1は4箇所でハンダ付けされていますが、外側の2箇所は完全に外し、内側の2箇所は完全には外さず少し浮かせます。ハンダゴテ先温度を380℃くらいにして4箇所を順番に少しずつ溶かし、浮かせます。写真のように、内側の基板面回路が剥がれて浮く場合がありますが、この部分はグランドですから周辺の回路まで剥離しなければ特に問題は生じません。温度調節のできるハンダゴテは例えば次のようなものが使用できます。
goot 温調はんだこて PX-201

リード線の取り付け
DSL基板の2箇所(赤丸部分)にリード線を取り付けます。今回の改造の山場の2つめです。取り付け位置は、D166A(X1)と書かれた部品の右上のチップ(C1)の左側と、X1の左横のチップ(R2)の下側です。リード線には、線径0.1mm強程度の銅線を使います。銅線は何かの被覆より線をほぐしたものを使えば良いです。ハンダ付けの方法ですが、コテ先温度を330℃位にし、銅線の先端に僅かなハンダペーストをつけて取り付け部分に触れさせ、その箇所に少量のハンダをつけたコテ先を1秒程度触らせます。ハンダやペーストの量が多すぎると周辺の部品にハンダが広がりショートします。コテ先を触らせる時間が長いと部品が壊れます。

リード線のすぐ横の基板面に両面テープを貼り、その上にリード線をつけます。

絶縁のため、Aの部分に、リード線の上からセロテープを貼ります。その後、リード線の、Aで覆われていない箇所を持ち上げ、そして基板面のBの箇所にセロテープを貼ります。いずれのテープも、リード線が回路基板に触れないようにする絶縁のためです。

スイッチへのリード線の取り付け
切替スイッチにリード線を取り付けます。リード線には、線径0.32mm、外径0.62mmの単芯線を使用しました。スイッチの電極部分を90度折り曲げた後にハンダ付けします。リード線の長さは後の写真をご参考ください。

SLOT1を戻す
先ほどと逆の要領でSLOT1を戻します。SLOT1の取り付け面と基板面に隙間があると裏蓋が閉じなくなります。SLOT1の取り付け面のノッチが基板面の孔と一致しないと隙間が生じます。

クリスタル、スイッチの取り付け
クリスタル2個を両面基板で裏蓋取り付けます。写真の白いプラスチック部品は付いていない場合もあります。2個のクリスタルは接触しても問題ありません。また切替スイッチを裏蓋の加工部分に取り付け、リード線をセロテープで固定します。クリスタルの形状は、小型のHC−49/Sです。今回は1.7倍速、1.5倍速、1倍速の3段切替にしますので、1.7倍速用のクリスタル(27MHz〜28MHz)、1.5倍速用のクリスタル(24MHz〜25MHz)の2個を付けました。なお、0.6倍速とする場合は、9MHz〜10MHzのクリスタルを用いると良いです。9MHzより低クロックを用いると液晶画面のチラツキが生ずる場合があります。クリスタルは例えば、下記のリンク先で入手できます。
秋月電子 25MHzクリスタル

クリスタルへの配線
下図のようにクリスタルとスイッチを配線します。スイッチの両側の電極の線(符号1,3)が各々クリスタルの一端に接続され、2個のクリスタルの他端をジャンパーし、符号4のリード線を取り付けます。まれに、クリスタルが両面テープから外れ、クリスタルが回路基板とショートすることがありますので、クリスタルの金属部をセロテープで覆ってください。

基板側と裏蓋回路との接続
基板側の2本の銅線と、裏蓋回路の2本のリード線とをハンダ接続します。両者の2本同士での接続の向きはありません。接続後、その上からセロテープを貼り、リード線を絶縁すると共にリード線を固定します。この後、裏蓋を閉じることになりますが、リード線は折りたたんで、黄色の枠内に収めます。この枠内に収めないと裏蓋がキチッと閉じなくなります。黄色い枠は、SLOT1と、Wi−Fiユニットと、裏蓋につけられたタッチペン収納スペースと、黒いICの保護部品に囲まれた箇所です。

裏蓋を閉じる
Wi-Fiユニットを取り付けて、裏蓋を閉じれば完成ですが、ここで何点か気をつける事があります。裏蓋を閉じるときには、蓋側のSWつまみ位置、ボリュームつまみ位置と、基板側のSWノッチ位置、ボリュームノッチ位置を合わせる必要があります。これがずれていると、ノッチが割れて大変なことになります(部品交換)。また、Wi-Fiの黒いアンテナケーブルは下図の位置としてください。L/Rキーのバネは元通りの位置としてください。この点を気をつけて、優しく取り付けてください。

完成です
みなさま、ぜひチャレンジしてください。無理そうな方はヤフオクに完成品を出品していますからご利用ください。
 DSL クリスタルホワイト 動作速度自由選択 パッドリペア・クリーニング済
部品の入手が困難な方は、近日中にヤフオクに改造部品を出品いたしますのでご利用ください。
長い間、本解説記事にお付き合い頂きありがとうございました。
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