外部電源

はじめに
当サイトでは任天堂DSシリーズに使用する外部電源をご紹介いたします。アルカリ単3電池または充電池3本で、10時間程度の駆動を目標にしています。

なお、本記事の製作キットをヤフーオークションに出品致しております。価格は、1500円(メール便送料込み)です。ご希望の方は落札をお願いいたします。
ヤフオク 3DS、DSシリーズ用外付けバッテリー製作キット

外部電源は必要か?
DSシリーズの内臓バッテリーは結構長持ちしますから、皆さんは外部電源の必要性を感じられないと思います。しかしながら、姉妹サイト『3DSだいすき!』の、『3分でわかる3DS』に記載のように、3DSのバッテリー駆動時間はDSLiteの6割程度と予想され、3DSでは外部電源のニーズがあるように思われます。
当サイトでは、HOLTEK社製DC/DCコンバータチップ、HT7750Aを用いたDSシリーズ用外部電源の製作記事を公開致します。また、できれば2000円以下で組み立てキット、完成品を販売したいと思います。

DSの消費電力を測定しよう(@)
DSの外部電源を製作するためには、先ずDSの消費電力を測定する必要があります。DSLiteのスペック表によると、DSLiteのバッテリーは最高輝度で、約5〜8時間の動作が可能とあります。ここでDSLiteのバッテリーを下図に示しますが、その容量はDC3.7V、1000mAhであり、これから計算すると、ゲーム中に125mA〜200mAの電流が必要と考えられます。しかしながら、実際に外部電源を製作する場合は、DSLiteを動作させると共にバッテリーの充電も考慮する必要があります。

DSの消費電力を測定しよう(A)
DSLiteの充電器を下図に示します。これには、DC5.2V、450mAと記載されています。DSの消費電力の最も簡単な測定方法として、DSLiteと充電器の間に電流計を入れて測定する方法がありますが、純正充電器のコードを切断するのは忍びないです。しかし、別の電源を使うにしてもDC5.2Vというのはちょっと特殊です。

DSの消費電力を測定しよう(B)
みなさんは100円ショップで下図のようなグッズを見たことはありませんか。これはパソコンのUSB端子を用いてDSLiteを充電できるケーブルです。ここでUSBの供給電圧はDC5Vですから、DC5Vの電源でもDSLiteを充電できることになります。

DSの消費電力を測定しよう(C)
今回の実験では下図に示すDC5V、1.6Aのスイッチング電源を用いました。そして、DSLiteに接続するコネクター部は上図のUSB充電器を切断して用いました。

この代用電源をDSLiteに接続したところ、DSLiteのオレンジランプ(充電中ランプ)が1秒ほど点灯しますがすぐに消え、充電ができませんでした。これは上図のスイッチング電源の出力に重畳されるリップル(*)が原因と考えられ、下図に示すように1000μF程度の平滑コンデンサを回路に平行に入れ、これに上図のスイッチング電源を接続することで解決されます。なお、私は上図の電源をPSPの充電に(コンデンサを入れずに)用いていますので、DSの充電回路はPSPに比べリップルに対して弱いと考えられます。
リップル(*) 出力電圧に重畳される電源入力周波数(50〜60Hz)及びスイッチング周波数(約200KHz)と同期した成分です。

DSの消費電力を測定しよう(D)
さて、このDC5V代用電源を用いて測定した結果を表に示します。この結果から、DSLiteの外部電源にはDC5V、200mA以上の容量が必要であることがわかります。なお、測定は液晶を最大輝度、ボリュームを最大音量として行いました。また、バッテリーの充電は、ほとんど空の状態から満充電直前まで行いましたので電流値は幅をもっています。
この表の両電流値の差分20mAがゲームのみでの消費電流かと言えば、そんなことはあり得ませんので、この電流値には充電回路でのロスや電池での発熱がかなり含まれていると思います。

バッテリー充電のみの電流110mA〜170mA
ゲームをしながら充電の電流130mA〜190mA

クロックアップ時の消費電力
ついでに、DSLiteのクロックを1倍速(標準速度)、1.5倍速、1.7倍速と変化させてDSLiteの消費電流を測定しましたが、電流はほとんど変化しませんでした。すなわち、DSLiteのCPUの消費電力はそれほど大きくなく、クロックアップしてもトータル消費電力への影響は少ない、という結果でした。ちょっと意外な結果ですね。なお、DSのクロックアップについては当サイトの『クロックアップ』のページをご覧ください。

3DS用外部電源の回路設計
今回製作する外部電源では、HOLTEK社製DC/DCコンバータチップ、HT7750Aを用います。このチップを選定した理由は単純で、チップの入手が容易だからです。いくら興味深い製作記事でも部品が容易に入手できなければ絵に描いた餅となります。なお、部品の入手先については製作が成功した段階でご案内致します。
今回使用するHT7750Aのスペック表の一部を下図に示しますが、DC3Vの入力時にDC5V、200mAの出力が可能です。またその際の変換効率はスペック表によると約85%となります。

前述のように、DSLiteの外部電源にはDC5V、200mA以上の容量が必要であることから、このチップ1個でもDSLiteの外部電源を実現できます。しかしながら、3DS用外部電源としてはパワー不足と思われますので、今回の電源では、このチップを2個使用します。HT7750Aを1個用いた電源の基本回路を下図に示します。

試作回路の製作
さて、いきなり回路を組んで動かなかったら悲惨ですから、先ず評価用チップを用いてブレッドボード上に試作回路を作りました。下図の緑色の四角いのがHT7750を1個搭載した評価用チップです。大きさは10mm角くらいです。これを2個、並列にして用います。

外部電源のケース
今回の外部電源では、下図の電池ボックスを使用し、制御回路もこの中に組み込みたいと思います。電池ボックスは、単三電池4本の、ふた付き、スイッチ付きで、200円前後で入手できます。

ふたを取ると下図のようになります。今回の外部電源では、単三電池3本を使用し、残りのスペースに制御回路を組み込みます。

DSliteの駆動
さて、先ほどの試作回路と電池とを接続してDSliteを駆動したところ、特に問題なくDSLiteの充電等ができました。下図は、アルカリ単三電池2本でDSLiteを充電、駆動しているところです。

駆動電流の測定
この試作回路で、単三電池から供給される電流値を、電池2本、3本の場合で測定しました。

アルカリ電池2本400mA〜450mAくらい
アルカリ電池3本200mA〜350mAくらい

100円ショップ等で売っているアルカリ単三電池の容量は1500mAhくらいですから、このアルカリ電池を3本用いると、計算ではDSLiteを数時間程度駆動できることになります。目標には少し足りないですが、とりあえず実回路を組んで性能を見たいと思います。

実回路設計
HT7750Aのデータシートを用いて今回の外部電源の回路設計を行いました。設計した回路図は下記です。

Q1,Q2HT7750A(TO-92)
L100μH(2A)
C1,C2100μF(6.3V、積層セラミックス)
C3680μF(10V、電解コンデンサ)
D1S3(ショットキー、30V1A、Vf0.5V(1A))
Fヒューズ(0.5A)

今回使用するHT7750Aのピンアサインは下図となります。

完成!
完成した外部電源です。DSLiteをアルカリ乾電池3本で駆動しています。見やすいように回路基板を電池ボックスから取り出しています。

DSLiteをアルカリ乾電池2本でも駆動できます。回路に流れる電流が増えるので、素子が少し熱くなります。

回路基板の拡大写真です。

回路基板の裏側(ハンダ面)です。下図ではGND線(図の茶色の線)をハンダ面に付けていますが、ハンダ面に付けると基板を電池ケースに入れる際に少しじゃまになります。そのため、GND線は実体配線図のように部品面に付けた方が良いです。

回路基板を横から見た写真です。

回路基板を反対側から見た写真です。

回路基板を電池ボックスに組み込んだ写真です。回路基板は単三電池と同じサイズにしてあります。スプリングが回路基板の押さえになっています。

電池ボックスの蓋を閉じて外部電源の完成です。電池ボックスの裏側にはスイッチがあります。

3DSも問題なく充電できます。何とか3DSの発売日に間に合いました。なお、本機は、基本的にはDC5V程度のゲーム機、携帯電話等であれば何でも充電できます。例えば、DSi、DSiLL等のDSシリーズ、PSP等です。これらのゲーム機等について、USB充電ケーブルが市販されていますので、本機のコネクター部をUSBのメスコネクタとして接続すれば簡単に充電ができます。USBのメスコネクタは、100円ショップで売っているUSB延長コードを切断して用いると良いでしょう。

実体配線図
実体配線図は次です。Q1、Q2の方向にご注意ください。C2の片方の足と、C3と片方の足が1つの孔に入れてある箇所があります。ジャンパー線が2本あります。ヒューズはリセッタブルの素子タイプを使用しています。

主な部品の入手先について次のリンク先をご参考ください。

Q1,Q2:HT7750A(TO-92)

L:100μH(2A)

C1,C2:100μF(6.3V、積層セラミックス)

C3:680μF(10V、電解コンデンサ)

D:1S3(ショットキー、30V1A、Vf0.5V(1A))

F:ヒューズ(0.5A)

電池ボックス単3×4本用(フタ付プラスチック・スイッチ付)

ハンダゴテは次のような温調タイプが良いです。
goot 温調はんだこて PX-201

また、下図の部品についてヤフーオークションに出品いたします。価格は、1500円(メール便送料込み)です。ご希望の方は落札をお願いいたします。
ヤフオク 3DS、DSシリーズ用外付けバッテリー製作キット

以上で、外部電源の製作記事を終わります。長い間お付き合い頂きありがとうございました。
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