イルミネーション

はじめに
人は誰しも、他人と違うものを持ちたいという欲望があります。DSユーザーについても同様で、DSのシェル(外装)をペイントされたり、オリジナルのシェルに交換されている方などをよく見かけます。その中で最も美しいシェルのデコレーションが、LEDによるイルミネーションかと思います。当サイトでは、次の写真のようなDSのLEDによるイルミネーションにチャレンジし、その製作方法をご紹介したいと思います。

本記事の製作キットをヤフーオークションに出品いたしました。ご利用ください。
ヤフーオークション DSLite LEDイルミネーションキット

LEDとは
LEDとはLight Emitting Diodeの略で、発光ダイオードともよばれます。大きさは、面実装タイプですと1〜2mmくらい、レンズの付いた素子ですと4mmくらい、また素子を多数集めた白熱電球タイプもあります。今回行うデコレーションは、LEDをビーズによるデコレーションと混在させて用いたりしたいと思いますので、直径1〜2mm程度の面実装タイプを用います。LEDの発光色は、青〜緑〜黄色〜オレンジ〜赤と多数有り、また紫外線等で蛍光体を発光させた白色もあります。LEDの駆動にはDC2V以上の電圧が必要ですが、電流は僅かであるため、簡易な電源での駆動が可能です。

今回の製作で使用するLED
今回の製作では、みなさんが容易に入手可能で、なるべく多くの色を選択できるLEDを使用したいと思います。また今回のLEDによるデコレーションは、ビーズによるデコレーションの内部に埋め込む方法も用いたいと思いますので、なるべくビーズの形状に近い物を選択したいと思います。そのため、例えば下図の面実装タイプのLED等を選択したいと思います。この形状ですと、白色、赤色、緑色、青色、黄色、オレンジ色のLEDが容易に入手できます。なお、図面の寸法の単位はmmです。

LEDの駆動回路
LEDを光らすためには閾値(しきいち)以上の電圧を印加する必要があり、この電圧を順電圧(VF)と呼びます。今回使用するLEDのVFは1.9V〜2.9Vです。ただし、LEDを定電圧で駆動するのは困難であるため、LEDに直列に制限抵抗を入れ、定電流回路で駆動するのが一般的です。DSにはDC3.7Vのバッテリーが用いられていますから、この電源を借用してLEDを駆動したいと思います。そうすることで、DSの電源スイッチと連動させてLEDを光らすことができます。

DSLiteの分解
イルミネーションを行うDSLiteの上半分を分解します。先ず、下図のようにネジカバーを外します。ネジカバーは各角に合計4箇所あります。マチ針(縫い針)を使うときれいに外せます。外したネジカバーは後で使いますので無くさないようにします。

ネジを外す
ネジカバーを外すと下図のようにネジが現れます。4箇所のネジを精密ドライバで外します。外したネジは後で使いますので無くさないようにします。

上カバーを外す
DSLiteの上液晶裏側のカバーを外します。DSLiteの蓋を閉じた状態でも開いた状態でも外せますが、下図のように蓋を閉じてカバーを外した方がヒンジを痛めず安全です。下図のようにカバーを矢印の方向に3mmほどスライドさせるとカバーが外れます。スライド幅が不十分ですと外れません。その場合は、隙間に樹脂(金属ですと傷が付きます)のヘラを入れて軽くこじると外れます。

カバーを外すと液晶パネル等が現れます。強度の低い部品が多いので必要以上に手を触れないでください。中央の銀色の四角が液晶パネル、左右の丸いのがスピーカ、右上の緑色の板が無線用アンテナ、中央下の丸いのがマイクロフォン、右下の矢印で示した茶色の部分がフレキシブル基板です。今回のイルミネーションではこのフレキシブル基板部分から電源の供給を受けます。

電源の供給部分の確認
それでは、電源の供給部分を確認してみましょう。右側のスピーカを外し、フレキシブル基板のスピーカ配線部分をやさしく持ち上げます。すると下図のようにフレキシブル基板の裏側にロの字形の電極パターンが2つ見えると思います。このパターンの内側(液晶側)がプラス電極、外側がマイナス電極で、この間にDC12V位の電圧が供給されています。これは上液晶のバックライト用電源ですが、この部分からイルミネーション用の電源の供給を受けます。なお、この電極部のパターン形状は液晶パネルのロットによって若干異なります。

上カバーの孔あけ
先ほどの電極部分とLEDとを配線するため、上カバーの下図の位置に孔を空けます。孔の大きさは4〜5mm位がよいです。ハンダゴテで溶かして孔を空けてもよいですが、バリをきれいに取らないとカバーが閉じなくなります。

なお、下図のシースルー(スケルトン)タイプのDSLIteを見るとわかりますが、フレキシブル基板の周囲の空きスペースは少なく、矢印で示した四角の範囲内の空間を用いてLEDの配線を行う必要があります。

デコレーションに使う素材の選択
デコレーションに使う素材を選びましょう。素材としては、DSLiteに貼れる大きさで、光らせる部分が1〜2箇所あり、薄いものがよいです。光らせる部分の大きさは、LEDの大きさの制約から3mm程度以下がよいです。今回の製作では、遊戯王カード、青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)を使いました。かなりボロボロですが、百戦錬磨の思い出のカードです。ドラゴンの眼(1箇所、1.2mmくらい)を青く光らせたいと思います。

光らせる部分の補強
デコレーションに使う素材は、薄い方が仕上がりがきれいになります。そこで、遊戯王カードの裏紙をはがしました。今回はドラゴンの眼を青く光らせますので、その部分の裏側にキッチン用アルミホイルを張ります。これは眼の周囲から光が漏れないようにし、ドラゴンの眼光を鋭くするためです。その後、ドラゴンの裏側の全面に両面テープ(保護シート付き)を張ります。

光らす部分をくり抜きます
先の尖ったカッターを使って光らす部分をくり抜きます。今回のドラゴンでは下図の様に眼の部分をくり抜きました。

ドラゴンの裏側は下図のようになります。右上に眼の部分の孔があります。裏側には両面テープが全面に貼り付けてあります。

LEDの準備
今回の製作には、秋月電子通商の高輝度青色チップ、L-C170LBCTを用いました。秋月電子通商のリンク先は次です。
秋月電子通商 高輝度青色チップ

チップサイズは2mm×1.2mmです。リード線には線径0.32mm、外径0.62mmの単芯線を用いました。はんだ付けしたLEDチップを下図に示します。LEDチップを保護するためリード線を平行にしてセロテープで止めます。なお、LEDで光るのはチップの片面のみですから光る面の方向にご注意ください。またLEDには極性がありますので、どちらのリード線が+なのか確認しておきます。

LED保護用の厚紙の準備
LEDとリード線を保護するための厚紙を準備します(下図)。厚紙の厚さはLEDおよびリード線より少し厚いくらいで、大きさはドラゴンより4〜5mm位小さくします。この厚紙に、DSLiteのカバーに開けた孔からドラゴンの眼の部分までの切り込みを入れます。また厚紙の裏には全面に両面テープを貼ります。

LED保護用厚紙の貼り付け
先ほどのLED保護用厚紙をDSLiteの上カバーに貼り付けます。厚紙の切り込みは下図のように、上カバーの孔からLEDのリード線をドラゴンの眼の部分まで導き、そしてLEDが眼の位置となるようにします。なお、LEDチップからの光は指向性がありますので、チップがカバー面に対して平行になるようにします。またLEDチップで発光するのは片面のみです。チップが裏向きにならないように気をつけます。

LEDの回路図
LEDチップおよびそのリード線を厚紙から一旦外し、LEDチップをフレキシブル基板に配線します。なお、LEDチップは下図のように間に抵抗を入れて配線します。問題は、この抵抗値をどのくらいにするか、すなわち、DSLiteの電極部分にどの位の負荷を加えられるかです。これについて、実験したところ、1kΩの負荷ですと、上液晶のバックライトが暗くなり、場合によっては消えます。バックライトへの影響を避けるためには6kΩ以上の負荷とする必要があるようです。今回用いたLEDチップは高輝度タイプで、低電流でも強く発光するため、下図の抵抗を7kΩとしました。LEDを2個以上使う場合も、トータルの負荷が6kΩ以上となるようにしてください。なお、抵抗はLEDに対して+電極側、-電極側の何れに入れてもOKです。図では+電極側に入れています。

LEDチップの配線
今回の製作で最も難しいのはLEDチップの配線です。先ず、LEDチップのリード線を適切な長さに切断します。すなわち、上カバーを付けた状態で、フレキシブル基板の電極部分からドラゴンの眼までの配線が可能な長さとします。これに加え、故障時に上カバーを外すことを考えれば、10mm程度のあそびが必要になります。なお、このあそびのリード線は、前述の配線空間に折り曲げて収納します。そしてリード線を下図のように、フレキシブル基板の+電極部分と、−電極部分にはんだ付けします。その際、一方のリード線には抵抗を直列に入れます。はんだ付けは300℃位の低温でスピーディーに行います。はんだ付けの時間は一回当たり1〜2秒以内とします。その時間内に完了できない場合はハンダ付けを中断し、基板が冷えてから再度行ってください。長時間のはんだ付けを行うとフレキシブル基板が溶解します。はんだペーストを少量使うと短時間ではんだ付けができます。誰かにフレキシブル基板とリード線を押さえもらってハンダ付けすると良いです。フレキシブル基板を無理に曲げて回路パターンに傷を付けると修理はできません。はんだごては、次のリンク先のような温調タイプを用います。
goot 温調はんだこて PX-201

なお、抵抗を次の図のようにLEDチップ側に取り付けると、フレキシブル基板への抵抗のハンダ付けが不要となり作業が少し楽になります。

ハンダ付けに自信の無い方
ハンダ付けに自信の無い方の苦肉の策ですが、下図のようにリード線を渦巻状にして電極部分にセロテープで貼り付け、その下にスポンジを取り付ける方法があります。上カバーを取り付けるとスポンジの弾性でリード線が電極部分に押し付けられ接触不良が防げます。フレキシブル基板のスピーカー配線の箇所にスポンジが付いていますので、これをご参考ください。2つのリード線がショートしないようにご注意ください。

上カバーを付けてドラゴンを貼る
DSLiteの孔にLEDとリード線を通し、上カバーを先ほどと逆の手順でDSLite本体に取り付け、LED及びリード線を保護用厚紙の切り込みに埋め込みます。LEDの発光面が上向きになるようにします。その後、ドラゴンの眼の部分とLEDとが一致するように、厚紙にドラゴンを貼り付けます。下図のように、ドラゴンのシートの端の部分は厚紙を覆うようにし、厚紙が外から見えないようにします。

ドラゴンの樹脂コーティング
ドラゴンの周囲に2〜3mm位の隙間をあけてセロテープを貼ります。これは、ドラゴンを樹脂コーティングするときにはみ出た樹脂を、カバーからきれいに剥がすためです。セロテープを広めに貼っておくと、より安全です。

コーティングする樹脂の選択
ドラゴンの樹脂コーティングには透明タイプの接着剤を使います。今回のコーティングには、デコ電で定評のある、セメダイン、スーパーXクリアを用いました。次のリンク先で入手できます。安物の接着剤を用いると透明度が悪かったり、時間と共に透明度が低下する場合があります。
スーパーX クリア P20ml AX-038

ドラゴンの樹脂コーティング
樹脂コーティングはドラゴンの全面に行います。もちろんLEDの部分も樹脂で覆います。樹脂の厚さは1〜2mm位で、セロテープの部分は0.3mm位に薄くします。セロテープの部分にはみ出すようにコーティングしますが、セロテープの外にはみ出さないようにご注意ください。樹脂が少し硬化したらセロテープを剥がします。セメダイン、スーパーXクリアでしたら塗布から5分後くらいでセロテープを剥がします。テープを剥がすと下図のようになります。この状態で樹脂が完全に硬化するまで待ちます。セメダイン、スーパーXクリアでしたら24時間くらいです。

完成!
完成したDSLiteが下図です。DSLiteの電源と連動してドラゴンの眼が青く鋭く光り輝きます。クールなブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン!周囲の視線を独占です!なお、写真撮影には偏光フィルタを用いております。

第二弾はザクに挑戦
次はザクに挑戦します。ザクのボディーを立体的に加工し、また眼を赤く光らせたいと思います。ザクはガンダム・ウォー・カードからの引用です。

作り方は前回のブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンと大体同じです。先ず、ザクの眼の部分の裏側にキッチン・アルミ箔を貼り、その上に両面テープ(裏紙つき)を貼り、その後、ザクを切り抜きます。なお、眼の部分も切り抜きます。

ザクの裏側はこのような感じです。

今回のLED保護用厚紙は、ザクのボディーに合わせて次のような形状にしました。

ザクを樹脂コーティングする際の目張りは次のようにしました。紙のタックシールとセロテープを併用しました。

完成!
完成したザクです。写真では分かりにくいですが、ザクに立体感があり、なかなかクールです。
次回は、デコ電のような、ビーズを用いたデコレーションに挑戦したいと思います。

組み立てキットの販売について
本製作記事の組み立てキットをヤフーオークションに出品いたしました。値段は1200円です(メール便送料無料)。LEDの入手が困難な方、はんだ付けが苦手な方、カバーの加工に失敗するのが心配な方、いかがでしょうか。組み立てキットの内容は下記です。はんだ付け済みのLEDが2個付属します。

(キットの内容)
・LED 2個。抵抗、リード線をはんだ付け済み。1本は予備。色は青、赤、緑から選択。
・DSLite上カバー 1個。中古品(純正品です。)、孔あけ加工済み。色は、白、ブルー、ピンク、ブラック、ネイビー。

ヤフーオークション DSLite LEDイルミネーションキット

(---次回に続く---)